「義明、前期の決算の時の──……。何やってる」
「いえ、ちょっと」
直江の部屋にはそこらじゅうに浴衣が掛けられていた。
花火をやるから松本に集合、と千秋から連絡があったのだ。
浴衣厳守、とのことだったから、ありったけを箪笥からひっぱりだして、
どれにしようかと吟味していたところだったのだ。
「浴衣でデートか。風流だな」
「デートではないんですけどね」
「女の子は慣れない履物で疲れやすいから気をつけてあげるんだぞ」
「いえ、だから……」
「おっともうこんな時間か、じゃあがんばれよ」
「………ええ」
決算の話はどこへいったのか、と訊く気すら起きなかった。
「いえ、ちょっと」
直江の部屋にはそこらじゅうに浴衣が掛けられていた。
花火をやるから松本に集合、と千秋から連絡があったのだ。
浴衣厳守、とのことだったから、ありったけを箪笥からひっぱりだして、
どれにしようかと吟味していたところだったのだ。
「浴衣でデートか。風流だな」
「デートではないんですけどね」
「女の子は慣れない履物で疲れやすいから気をつけてあげるんだぞ」
「いえ、だから……」
「おっともうこんな時間か、じゃあがんばれよ」
「………ええ」
決算の話はどこへいったのか、と訊く気すら起きなかった。
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