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『 月 1/3 』≪≪ ≫≫『 シルバーウィーク 2/3 ※ゆる~い完結後設定です 』
大型連休の喧騒も遠い山中の田舎道を、一人の少年が歩いている。
夕暮れ時に近づいて、やっと強い日差しも和らいできた。
換生したての幼い宿体はあまり丈夫でなく、熱中症気味なのかくらくらする。
空にはここいらをねぐらとする黒く光る美しい羽を持った鳥達が舞っていた。
彼らのおしゃべりに聞き耳を立てれば、目的地がそう遠くないことがわかる。
と、正面から背の高い若者がこちらへ歩いてくるのが見えた。
足場のよくない道だというのに、随分と慣れた足取りだ。こちらに気付いたらしい。
普段まるで人気のない場所に突如現れた子供に驚いた風で、訝しげにみてくる。
が、その正体が分かったのかいきなり声を上げた。
「貴様……っ」
「これはこれは風魔の」
昔とは違ってひどく人間らしい表情を浮かべる忍頭に、少年は絹の黒髪を揺らしながら赤い唇で微笑みかけた。
「一体何の用だ……?」
「全国各地が赤鯨衆の手に落ちる中、未だ領土を明け渡すことなくおられる氏康公に、一言ご挨拶がしたくて参ったのですよ」
「……北条は赤鯨衆とは協力関係にある。領土云々の問題では無い」
若者は後ろ髪のつけ毛を揺らして警戒している。その殺気を感じたのか、空にいた鴉達がいっせいに騒ぎ出し、少年を護るようにして降り立った。
威嚇のつもりなのか、ギャアギャアと鳴き立てる。
「ともかく、お目通り願えますかな」
若者は未だ警戒を解いてはいなかったが、無言でついてくるように促すと踵を返した。
夕暮れ時に近づいて、やっと強い日差しも和らいできた。
換生したての幼い宿体はあまり丈夫でなく、熱中症気味なのかくらくらする。
空にはここいらをねぐらとする黒く光る美しい羽を持った鳥達が舞っていた。
彼らのおしゃべりに聞き耳を立てれば、目的地がそう遠くないことがわかる。
と、正面から背の高い若者がこちらへ歩いてくるのが見えた。
足場のよくない道だというのに、随分と慣れた足取りだ。こちらに気付いたらしい。
普段まるで人気のない場所に突如現れた子供に驚いた風で、訝しげにみてくる。
が、その正体が分かったのかいきなり声を上げた。
「貴様……っ」
「これはこれは風魔の」
昔とは違ってひどく人間らしい表情を浮かべる忍頭に、少年は絹の黒髪を揺らしながら赤い唇で微笑みかけた。
「一体何の用だ……?」
「全国各地が赤鯨衆の手に落ちる中、未だ領土を明け渡すことなくおられる氏康公に、一言ご挨拶がしたくて参ったのですよ」
「……北条は赤鯨衆とは協力関係にある。領土云々の問題では無い」
若者は後ろ髪のつけ毛を揺らして警戒している。その殺気を感じたのか、空にいた鴉達がいっせいに騒ぎ出し、少年を護るようにして降り立った。
威嚇のつもりなのか、ギャアギャアと鳴き立てる。
「ともかく、お目通り願えますかな」
若者は未だ警戒を解いてはいなかったが、無言でついてくるように促すと踵を返した。
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『 月 1/3 』≪≪ ≫≫『 シルバーウィーク 2/3 ※ゆる~い完結後設定です 』