忍者ブログ


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。










「なんじゃこりゃあ!!」
 長秀がカレンダーをみながら声をあげた。
「こんなとこに連休があんぜ!」
 今年はたまたま暦の関係で、9月にも連休がある。
「シルバーウィークというらしいな」
「は~、盆で休んだくせに、ま~た休む気かよ」
「いいじゃないか。働きすぎなんだ、日本人は」
 それにきっと多少の経済効果なんかもあるはずなのだ。
「働きたい奴は働かせときゃあいいんだよ」
 両腕を頭の後ろへやり、椅子に踏ん反り返る長秀に、男は眉を上げて見せた。
「お前も見習わないとな」
「んなにぃ?人を怠け者みてーに。こちとら毎日ひーこら走りまわってんじゃねーか」
「そうか?」
「そーだよ。褒めてもらいたいくらいだね」
「それは気が付かなかった」
 横を向いた男の口元には、笑みが浮かんでいる。
「せめて俺が気付く程度にはがんばってもらわないとな」
(こいつ………)
 長秀は疑いの眼をじっと男に向けた。
(景虎の性格まで受け継いじまったんじゃねーだろーなあ)
 "前"大将は、身内に対して変に示威的なところがあった。
 "現"大将の長所はあくまでも合理的なところ(一部見境がなくなる分野もあるが)だったはずなのに。
 これ以上、女王じみてきませんように、と長秀は本気で祈った。
PR








        










 忍者ブログ [PR]