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『 同級生 2/3 』≪≪    ≫≫『 山神の神官 3/3 』   
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『なあ例の事故、ちょうど近くの神社に空き巣が入った頃かららしいよ』
『つまりあの交差点の事故が多くなったのは、その神社の崇り?』

 教室で、最近話題になっている噂話の新情報に聞き耳を立てていた奥村は、
後ろの席の橘に話しかけた。
「聞いたか」
「ん?」
「あの近くの神社っていうと、御神体は平安あたりの御首じゃなかったか」
 家が寺を営む奥村はそんな話を聞いたことがあった。
 一体どこの交差点の話かもわかってないような橘からは、相槌すら返ってこない。
「きっと一千年前の幽霊だぜ。恐ろしいなあ」
「……何年経とうが元は人間だ。怖くはないさ」
「馬鹿。その人間が一千年間も恨みつらみを持ち続けてることが怖いんじゃないか」
「……そうか」
「そうだ」
「なら、四百年間ならどうだ」
「は?」
 質問の意図はよくわからなかったが、真面目に問いかけられているのはわかった。
「まあ、一千年に比べたら、まだまだ"ひよっこ"ってとこだろ」
 とたんに橘が笑い出す。
「"ひよっこ"か」
「……"ひよっこ"だよ。何がそんなにおかしいんだ」
「いいや」
 そのあとしばらくの間、橘の肩は揺れ続けた。
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