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『 月 3/3 』≪≪    ≫≫『 月 1/3 』   
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 太陽に手をかざすと、指の合間から光が溢れた。
 昼間の祖谷は、夜とはまた違った動物たちで賑やかになる。
 その邪魔にならないよう、高耶は大きな石の上に横たわっていた。
 雲ひとつ無い、真っ蒼な空。
 だがしかし、今日が朔であることを高耶は知っていた。
 痛い程に眩しい太陽光が、ひとつだけ残ったまともな眼球を痛めつけても、
 高耶の視線は青空を彷徨う。
 どうしても探してしまうのだ。
 太陽の傍にあるはずのもの。
 しかしどこにも見当たらなかった。
 間違いなく、そこにあるはずなのに。
 光に敗けて、姿すら現せない月。
(直江………)
 高耶の目尻から、一筋の雫がこぼれた。
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