沙織は眼をひん剥いた。
朝から食卓にロールキャベツがのっている。
昨晩はジンギスカンだったから、残り物ではない。
「何これっ!」
「”サルマーレ”よ」
「……そう。今日はどこなの」
「えーっと”ルーマニア”だそうよ」
なにやら紙を見ながら母が答える。
一口食べてみた。かなり美味しい。だが、朝から食べるのはどうだろう。
最近、沙織の母親は世界各国の料理を作るのに凝っている。
突拍子もない性格なのだ。
一時期お弁当に、チジミやらピザやらを持たされて閉口した。
なんとか頼み込んで、お弁当だけは普段どおりにしてもらっているが。
「お母さん、たまにはふつーに目玉焼きがいいな」
「あらそう、じゃあ夕飯は卵を使ったものにしようかな」
「いや、そうじゃなくて」
確かチュニジアの方に……、と
覚えたてのパソコンでプリントアウトした紙をめくり始める。
沙織はとほほ、と頭をたれた。
朝から食卓にロールキャベツがのっている。
昨晩はジンギスカンだったから、残り物ではない。
「何これっ!」
「”サルマーレ”よ」
「……そう。今日はどこなの」
「えーっと”ルーマニア”だそうよ」
なにやら紙を見ながら母が答える。
一口食べてみた。かなり美味しい。だが、朝から食べるのはどうだろう。
最近、沙織の母親は世界各国の料理を作るのに凝っている。
突拍子もない性格なのだ。
一時期お弁当に、チジミやらピザやらを持たされて閉口した。
なんとか頼み込んで、お弁当だけは普段どおりにしてもらっているが。
「お母さん、たまにはふつーに目玉焼きがいいな」
「あらそう、じゃあ夕飯は卵を使ったものにしようかな」
「いや、そうじゃなくて」
確かチュニジアの方に……、と
覚えたてのパソコンでプリントアウトした紙をめくり始める。
沙織はとほほ、と頭をたれた。
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