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『 紅葉 2/3 』≪≪    ≫≫『 重陽 3/3 』   
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庭の楓が、落葉の下準備に入っている。
毎年必ず眼にしているというのに、見入らずにはいられない星型の真っ赤な葉。
自然界の造形美というものは、どうしてこうも完璧なのだろう。
彼の美しさも、きっとこれに通ずるものがある。
奇跡に思える必然的な美しさ。
恋しくてたまらないそれを、何度も胸の中に描き直した。


このまま、二度と彼に会うことが出来ないとしたら。
気の遠くなるような絶望感は、心の内で既に解離に成功している。
このまま、二度と彼に会うことが出来ないとしても、
それでも自分は想うことをやめないだろう。
こうして季節が変わるたび、彼の美しさに思いを馳せる。
その完璧さに到底及ばない自分を恥じ、彼と言う不世出の人間に
関われた自分を誇り、彼への果てることのない愛情を再認識し、
自分の変わらぬ愚かさにどこか安堵する。
もし再び出会うことが出来たのなら、こう伝えたい。
自分と言う人間はあなた無しには存在し得ないのだと。



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