ちょうど帰宅したところに橘から電話があり、すぐ来いと言うから慌てて
駆けつけてみると。
「俺もまだまだ"ひよっこ"だな」
公衆電話の前で待っていた橘がそんな風に言った。
「なんの話だ」
不自然に垂れ下がったままの左腕を示されて、嫌な予感がしてくる。
「折れてるかもしれない」
「何だって!!ばかっ、すぐ病院に……」
「その前に」
使える右手で奥村の腕を掴んでくる。
「怪我をしたとき、一緒にいたことにして欲しいんだ」
「何で」
「家族に心配をかけたくない」
どうやらそのために呼び出されたようだった。
「……わかった」
仕方なく頷いたが、家族に言えないような怪我の理由というのが気になる。
「喧嘩でもしたのか」
「似たようなものだ」
奥村にも理由を話す気はないらしい。
ため息をつきつつ、近くに転げ落ちたら骨折しそうな階段でもないかと
視線を走らせる。
すると、30メートルほど先に、最近事故が多いと噂になっている交差点が
あることに気付いた。
「ここって……」
さすがの奥村も、もしかしてと勘付いた。
「お前、"何"と喧嘩したんだ」
「……………」
「おい」
言いよどんでいた橘は、ややして口を開く。
「性質は悪いが、せいぜい100年てとこだった」
「いったい"何"の話だよ」
「なんにしても、もう事故は起きないさ」
「おまえ………」
立ち尽くしてしまう奥村に、
「病院、付き合ってくれるのか?くれないなら」
橘は冷静に問いかけてくる。
くれないなら、何だというのだろう。
「………付き合いますよ、どこまででも」
奥村は拗ねたような顔で言うしかなかった。
駆けつけてみると。
「俺もまだまだ"ひよっこ"だな」
公衆電話の前で待っていた橘がそんな風に言った。
「なんの話だ」
不自然に垂れ下がったままの左腕を示されて、嫌な予感がしてくる。
「折れてるかもしれない」
「何だって!!ばかっ、すぐ病院に……」
「その前に」
使える右手で奥村の腕を掴んでくる。
「怪我をしたとき、一緒にいたことにして欲しいんだ」
「何で」
「家族に心配をかけたくない」
どうやらそのために呼び出されたようだった。
「……わかった」
仕方なく頷いたが、家族に言えないような怪我の理由というのが気になる。
「喧嘩でもしたのか」
「似たようなものだ」
奥村にも理由を話す気はないらしい。
ため息をつきつつ、近くに転げ落ちたら骨折しそうな階段でもないかと
視線を走らせる。
すると、30メートルほど先に、最近事故が多いと噂になっている交差点が
あることに気付いた。
「ここって……」
さすがの奥村も、もしかしてと勘付いた。
「お前、"何"と喧嘩したんだ」
「……………」
「おい」
言いよどんでいた橘は、ややして口を開く。
「性質は悪いが、せいぜい100年てとこだった」
「いったい"何"の話だよ」
「なんにしても、もう事故は起きないさ」
「おまえ………」
立ち尽くしてしまう奥村に、
「病院、付き合ってくれるのか?くれないなら」
橘は冷静に問いかけてくる。
くれないなら、何だというのだろう。
「………付き合いますよ、どこまででも」
奥村は拗ねたような顔で言うしかなかった。
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