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『 山神の神官 2/3 』≪≪    ≫≫『 月 3/3 』   
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 高耶がいま、何を考えているのか。
 高耶自身が口を開かずとも、眼をみていればすぐに解る。
 状況を説明する隊士の顔、手にした書類、意見を言う兵頭と、次々に視線が移る。
 頭の中で着々と段取りが決まっていくのが、手に取るように感じ取れるのだ。
 人選で迷っているらしく、待機中の隊士達のほうへ視線を滑らせるが、目ぼしい者がいないらしい。
 ならば十数秒後に名前を呼ばれるのは自分だろう。
 ずっと無言だった高耶が初めて何かを言った。
 意見しようとする兵頭を制して、直江の方を向く。
 迷いの無い、まっすぐな視線。
 それだけで、この作戦がうまくいくとわかる。
「橘」
 思った通り。
 直江は姿勢を正して、返事をした。
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